『職人か?アーティストか?』のはなし

2017.08.16 Wednesday

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    ご依頼の壺を作成中。


    すでにある壺と同じサイズ同じデザインとのこと。


    約20センチ立方ほどのツルッとしたシンプルな造形ならば、


    大きさもさほどないし、


    サイズを合わせて作るだけなので


    難しくはないが、


    完成時30センチ立方を超え、


    後に複雑な面取りを施すことを考えると


    なかなか難しい。。


    職人的思考と技術が必要となる。


    がしかし、


    アーティスト思考で言えば、


    例え同じサイズのご依頼でも、


    わたくしことオレにとっても、


    生み出される作品は一期一会。


    かけ離れたサイズの誤差はないけど、


    作品の完全コピーは、


    あまり作りたくない。


    削りを考慮したろくろ成形の段階で完璧にサイズを合わせることは不可能に近い。。

    ろくろ成形時に乾燥収縮、焼成収縮を考慮しながら作り、削り時に完全にサイズを合わせていくのが基本(焼き上がり収縮を考えたサイズに合わせる)


    職人は成形と削りはワンセット、


    ならば、


    サイズを完璧に合わせるために、


    削り時に強引にアウトラインを合わせにいくことがある。


    時にその行為は、作品を固くさせたり、アウトラインの繋がりを微妙に狂わせることに繋がる。


    だけど、


    同じサイズとのご依頼とならば、


    それは職人的拘りとしてご理解して戴けないと困るところです。


    アーティストならば


    ろくろ成形時でうまれたアウトラインなどを大事にしたい。


    削り時に強引にサイズを合わせるよりも


    一つ一つの個性をいかす削りをしたい。br />


    ・・・・


    オレことわたくしは、


    アーティスト的拘りとして、一つ一つを大事にしたいということをご理解の上、


    今回の作陶となりました。


    どちらも正解だし、


    どちらも欠点がある。


    ただ、個人的に思うことは、


    全く同じものが存在できるのならば、


    ロクロに拘る必要がないと思う。


    量産型を使った方が、より完璧なコピーができる。


    それは、


    作り手にもそれを欲する人達にも、


    やさしくありがたいことだ。


    ロクロで作るということは結果ではなく


    その過程を感じてもらうことだと思います。


    土の塊が、ロクロの回転によって脹らんだもの。


    その脹らみの行程は、一つ一つ微妙に異なりながら成るもの。


    この微妙なところが作品の個性であり、作り手の個性でもある。


    なるべく同じものは作るけど、


    わたくしは、


    そこを無視できないのです。


    ※ここでいう『アーティストならば』=『私ならば』であり、すべてのアーティストではないですからね(笑)>

































    『ご依頼製作』のはなし

    2017.08.11 Friday

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      世間はお盆休みなのだろう。


      わたくしことオレも


      今週の日曜日は、相方の実家へと行くわけだが、


      それ以外は、ご依頼の製作に追われる日々を送っている。


      画像は、たたら板で伸ばした磁土を


      一つ一つ方に打ち込む仕事だ。


      シュッとしたシンプルなお皿を望まれていたので


      高台がない、いわゆる、


      ベタ高台のお皿を作ることにした。


      ということでの、


      この成形方法なのだ。


      乾燥後には、少しだけ処理を施すつもりだが、


      彫りも何もないシンプルな白妙の白になる。
















































      『地獄の空間』のはなし

      2017.08.07 Monday

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        お仕事を終え、


        満席の新幹線『こだま』に乗車し


        帰っている。


        名古屋から『のぞみ』に乗り換えるのだが、


        今回は緊急の出張だったため


        『こだま』だけが喫煙席の指定しかとれなかった。


        まぁいっか、思ってたんだけど、


        喫煙車両の空間は地獄だ。。


        鼻の奥がムズムズするし、


        喉が乾く感じだし、


        何より服に臭いがつく。。


        飛行機だって今はすべて禁煙。


        『のぞみ』『ひかり』には


        喫煙ブースがある。


        『こだま』は時代に取り残されている。。


        指定をとったが、


        放棄しよう。。


        もう限界。。




        『伊豆のお仕事』のはなし

        2017.08.06 Sunday

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          今週末、


          伊豆にある三養荘という場所でお仕事してました。


          旧三菱財閥の別邸だったこの場所。


          昭和天皇がお泊まりになられた日本家屋にて


          オレことわたくしの作品を展示会させて戴きました。


          自然光が入る空間は


          わたくしの作品が一番輝ける場所でした。








          『素材への想い』

          2017.08.04 Friday

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            ぐい呑です。


            わたくことオレは、


            素焼前、いわゆる生乾燥の時に


            一回目の釉薬をかける(刷毛塗り)


            理由は、そのまま素焼して


            釉薬をかけると、たまに、


            ポツポツと小さなブクがでる。


            剥離とまではいかないが、


            それに近い現象がポツポツと出る場合があるのだ。。


            何故ゆえ??


            それは、オレ釉薬である白妙白磁は、


            そもそもボディと同じ粘土から作られたものだからだ。


            そもそもが粘土であるがゆえに、厚くかけると剥離する。。


            だから、


            濃度を薄くする必要がある。


            そして、


            普通の釉薬よりも粒子が極端に小さいゆえに


            表面の細かいところまで浸透していくのだ。


            そのときに、閉じ込められた空気が


            外に出ようとする。


            だけど、空気がうまく抜けきれず


            同時に釉薬が乾いてしまい、


            それがブクとなるのだ。


            と、


            今までになく、白妙白磁の研究成果を晒けだしてますが。。(笑)


            まぁ、


            確信までは言いません(笑)


            はなしを戻すが、


            こんな理由があるために、


            生感想のときに一度かけ、


            素焼後に再度かけるのです。


            普通の工程と比べて、手間がかかりますが、


            磁器素材を100%活かすためにも、


            仕方ないことなのです。


            先日、


            工芸会の研修旅行で唐津に行ってきました。


            当然のことながら、唐津を焼いている作家さんのところを訪ねたわけだが、


            素材への強き想いを、改めて感じました。


            オレが磁器素材を100%いかした仕事をする


            きっかけの一つがその唐津をしている作家達のその姿勢からでした。


            ある作家は、


            『作り手の名前や作った作品よりも、
            その前の工程を見てほしいしその想いを感じてほしい』


            と、言っていた。


            オレことわたくしとは、価値観が少し違うけど、

            素材への想いを感じてほしいということは、


            とても共感する。


            有田の尊敬するある作家さんが言っていた


            『陶器の土作りは足算であり、磁器の土作りは引算なのだ』


            どういうことか??


            陶器は、土を掘ってきて、耐火度が低ければ、高くなる別の材料を足せばいいし、粘性がなければ別のなにかを足せばよい。


            磁器はそれ事態、単身で粘土となり得るのだが(天草磁石、泉山磁石の二つのみ)、土作りの行程で、割れを防ぐために珪成分を除去したり、より白くさせるために鉄を除去したりする。だから引き算なのだ。


            土作り工程としては、足していく方が簡単なのだ(作業事態は地味でたいへんだが、一人でもできる範囲だという意味です)


            それに比べて、


            磁器はそもそもが石なので、


            粉砕作業、珪成分の除去、脱鉄などなど、


            とてもではないが一人では不可能な作業ゆえに、


            専門である陶土屋に頼らざるを得ない。。


            誰かが言っていた。。


            『磁器土なんて買えばいいでしょ?釉薬も色見本を見て自分に合ったものを買えばよい』


            ・・・・(情けない)


            陶器も磁器も、同じくロクロの上から形となるわけだが、


            この素材への拘り、想いの差が、


            作品の説得力の差となるのだ。


            ゆえに、


            作り手の素材への想い、拘りからうまれるストーリーがある作品に魅力があるのだ。


            ・・・・


            磁器の土作りは困難です。


            結果的に土を買っているけど、


            だからこそわたくしは、


            磁器素材に拘り、他の磁器作家とは異なる私なりの文脈をもって、こらからも作品を作っていきたい。































            『猛暑のなかで』のはなし

            2017.07.30 Sunday

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              暑い日が続いている。。


              この時期のロクロは好きな方だ。


              扇風機をまわしていても、


              汗をかく。


              汗をかきながらのロクロは


              とても充実感に満たされる。





              大量にぐい呑を作成している。


              まだまだ、


              ロクロをまわす。


              汗をかきつつ、まわすのだ。


              しかしながら、


              成形は好きだが、削りは好きではない。。


              汗をかきながらの削りは、


              最悪だ。。


              例えば、


              オレが拷問にあうならば、


              殴る蹴るよりも、ベタベタの体に


              粉を吹き付けられる方が耐えられない。。


              それくらい、


              粉まみれが嫌いだ。。


              さらにいうと、


              お風呂でさっぱりになった後、


              きれいな服を着させて、


              服の中にハチミツを垂らされ、


              さらに、


              粉を入れられると、


              気絶するだろう。。


              ・・・・


              嫌な妄想してしまったが、


              とにもかくにも、


              この後の削り作業が憂鬱だということです。。





              『うれしい!』のはなし

              2017.07.22 Saturday

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                今日の朝刊で知った。


                所属する日本工芸会で


                人間的にも尊敬している方が


                重要無形文化財保持者に認定されました。


                とてもうれしくなり、


                お忙しいと思いつつも、朝から電話させて戴きました。


                その方は、オレことわたくしにとって、


                恩人と言えるお方です。


                ・・・・



                6年前、


                わたくしは、大きな受賞をさせて戴きました。


                それ以来、


                わたくしを見るまわりの目線は


                明らかに変化しました。


                と同時に


                わたくしも、


                期待を裏切らないように


                更なる飛躍のためにもっともっと、


                努力し、継ぎの結果(受賞)をださなければ!


                と、思うようになりました。


                がしかし、


                その方が唯一、


                わたくしに、言ってくれました。


                『どんなに良い作品でも、気持ち焦ったものは作品にでるよ。それは良くないよ。』


                『一度大きな賞をもらうと、いろんなプレッシャーで、力んだ作品や、次の受賞のために焦った作品になりがち』


                『まだ。若いんだから、すぐに二回目とかじゃなく、じっくりと、焦らず、やっていくことだよ!』


                『その間、5年、10年と受賞しなくても、しっかり仕事していたら、誰かが、それをちゃんと見ているから!』


                『焦らないでね!』


                わたくしは、


                このお言葉に救われました。


                ・・・・・


                昔ばなしになりましたが、


                ・・・・


                とにもかくにも、


                本当に、ほんとうに、


                おめでとうございました!!










                『職人モード』のはなし

                2017.07.21 Friday

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                  連日、


                  ご依頼の仕事をこなしております。


                  今年の下半期は、


                  個展などの予定もなく、


                  気持ちの切り替えなしの


                  職人モードで走り続けます!


                  来年は


                  3年ぶりの福岡個展からはじまり、


                  大阪、東京などなど、


                  タイトなスケジュールです。


                  そして、個人的にも楽しみにしている


                  お仕事もあります!


                  まだまだ先のことなので


                  詳細はいずれご報告させて戴きます。


                  さて、


                  職人モードにトランスフォームし、


                  今日も1日頑張りまっす!!








                  『ブランド』のはなし

                  2017.07.20 Thursday

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                    久しぶりに脳内会議。


                    ある方からこんなことを聞いた。。


                    『○○焼をブランド化させるために、
                    具体的にどんなアイテムを作るべきか??』


                    ・・・・??


                    いやいや、


                    それ違うでしょ。。


                    そもそも、ブランドって作り手が作るものではないでしょ。。


                    結果としてなるもの。


                    ましてや陶芸なんてなおさらだと思う。。


                    例えば・・・


                    わたくしことオラが町で、


                    ブランド化された陶芸と言えば、


                    真っ先な思い付くのは、


                    世界的に有名な○右衛門窯だろう。


                    なぜゆえに、ブランドなのか?


                    うつわが良いのか?


                    それとも、


                    壺が良いのか??


                    答えは、


                    どっちもでしょ。。


                    それは、


                    アイテムがブランド化しているのではなく、


                    それらを生み出す○○窯に宿る精神そのものが


                    ブランド化しているから。


                    十数代前から、


                    変わらぬ拘りと、丁寧にな手仕事、


                    そういった無形なものに


                    世界中の方々が、共感と信頼を得ている。


                    誰もやったことがなかったことを


                    信念とプライドを持って続けてきたことが


                    ブランド化に繋がったと思う。


                    どんなアイテムを作るか?ではない!


                    どんな志で、どんなストーリーを作るか?だと思う。



                    陶芸作家さんは、


                    己をブランド化させるために


                    日々、努力している。


                    それは、言葉にしなくても、肌感覚で理解している。


                    この聞いたはなしは、


                    陶芸作家さんが言った言葉でない。


                    誰か?は、お察しくださいませ(笑)


                    ・・・・


                    調子が乗ってきたのでもう一つ(笑)


                    昨年の有田焼創業400年。


                    数年前、


                    オレ自身とこれから迎える400年を照らし合わせ


                    色々と考えていた。


                    オレことわたくしにとっての400年とは?


                    その答として、


                    わたくしがいつもお世話になっている素材に改めて注目する必要があると考えた。


                    泉山陶石が発見され、


                    磁器発祥の町として、世界的にも有名になった我が町。


                    時代の流れにより、より良質な陶石を求め、


                    現在は天草陶石が支流となっている。


                    わたくしがお世話になっている素材は、


                    その天草陶石です。


                    私が作り出す作品群は、


                    その素材により、形を作り、その素材により、釉薬も作る。


                    わたくしにとって宝石のような存在なのだ。


                    実際、


                    採石する場所を観たらわかりますが、


                    土砂の中にポツネンと真っ白な姿で眠っている。


                    突如姿を現す、まさに宝石なのだ。


                    そんな宝石も、自然の産物であって、


                    限りある財産。


                    陶芸に携わっている我が町のどれだけの人たちが、現在の枯渇問題を知っているのだろうか??


                    実際、同じジャンルの方たちがその現状を知らなかったことにショックしました。。


                    『オレらが死ぬまでは、無くならんやろ!』


                    こんな声も聞いたさ。。


                    確かにその通り。


                    数年で無くなるというような大問題ではないだろう。


                    有田焼創業400年。。。


                    この先、450年、500年と続けられるように頑張りましょう!この年を盛り上げていきましょう!と誰かが言っていた。。


                    r />


                    未来を考えるために過去を振り替える、


                    物事の根源を振り替える。


                    とても大事なこと。


                    ましてや、400年と言う節目の年。。


                    節目だからこそ、


                    未来のために、過去や根源を見るべきではないだろうか??


                    昨年の400年で、未来に何を残せたのだろうか?何を繋げたのだろうか??


                    ・・・・


                    なーんにも、残せてません。。


                    『なにも残せなかった・・・・』っと、


                    今さら嘆いているお偉いさんの話も聞きましたよ。。

                    そもそも、順風満帆のうちに迎えられた400年だったのかな?


                    産業としての過去の負の結果に蓋を閉めて、


                    大反省もせず、この年を起爆剤として前向きに!としても、なにも変わらない。。
                    <

                    窯元レベルとして、


                    ストーリーをもとにコンセプトをたて


                    強い志とプライドのもと、


                    成功されたこともありました。


                    わたくしと毛色は違うけど、


                    とても素晴らしいと思いました。
                    ・・・・・


                    わたくし個人としては、


                    400年の節目の年に、


                    改めての素材へのリスペクト、


                    そして、400年間、伝承されてきた世界一のロクロ技術へのリスペクト、


                    そしてそのリスペクトを、現在の人たちに、


                    わたくしというフィルターを通し、


                    伝えることを強く感じました。



                    最初のはなしにもどるけど、


                    目で見えるもの、手で触れるものだけが、


                    すべてではない。


                    無形なものにこそ、真実があり、


                    心揺さぶる何かがある。


                    don't think. Feel !!.


                    小手先のことよりも、その意識を変えるべきです。




                    ただのヒット商品を作りたいのなら、


                    それでもいいけどね。。


                    それは、一発屋と表裏一体だけどね。。


                    ・・・・


                    さて、


                    久しぶりに情けないはなしを聞いて、


                    自分なりに脳内で整理し、


                    それを文字に置き換え、


                    拙い文章にしましたが、


                    わたくしことオレって、


                    不満だらけだということがわかりました(笑)

                    ちゃんと文章化できたこと、


                    うまく文章化できなかったかな?と思うことも、


                    多々ありますが、


                    オレがやること、やれることは、


                    微々たることだけど、


                    これからも、己を信じ、時に悩み、


                    過去を重んじ、未来を見据えて、


                    『いま』を生きていこうと思います。



























































                    『小鉢』のはなし

                    2017.07.14 Friday

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                      おてしょ皿ではなく


                      おてしょ鉢というべきだろうか。


                      福岡にある料理屋さんからの以来で作成中です。


                      最近、料理屋さんからのご相談をよく受ける。


                      ご自宅用、ディナーイベント等で


                      オレことわたくしのうつわを使っていただくことは多くあったが


                      最近、


                      ようやくというべきか、


                      白妙白磁のうつわとしての


                      使いようが料理屋さんにも認知されてきている気がする。


                      ほんのりと優しい照りがあるマットな白磁がゆえに、


                      一般的なマットな白磁と同じく、


                      汚れやすい??


                      と、思われがちだった。


                      わたくしの白妙白磁は汚れません。


                      それは


                      釉薬の基本的なレシピが全く違うからです。


                      優しい照りと周りの光を吸収するようなマット感が、普通のうつわと違う独特な白磁がゆえに、


                      スポットライトをあてたように


                      料理がとても映えるようです。


                      白妙の釉薬は


                      うつわにも使えるというのが


                      わたくしとしての最大の発見と魅力だったゆえに


                      とても嬉しいお言葉です。


                      ありがたや